第二章 自宅でミョウバンの結晶作り


    
・学校で作った結晶作りの続編


 学校でミョウバンを作ると「もっと大きくしたい」「もっと透き通った結晶を作りたい」「形の良い結晶を作りたい」とだんだんと要求が高くなってきます。学校で作った結晶をもとにスチロールコップを使って家で続きをやる方法を2つ紹介します。今回は、希望者に各自のコップを家に持ち帰らせました。若干の結晶も配布しました。

 学校と同じ方法 学校と同じ方法

 結晶を作った装置を良く見てみましょう。

 完成した結晶 →そのまま次の種結晶として使えます。さらに大きくできます。
 コップの中の液→飽和水溶液です。そのまま次の実験で使えます。
 下の結晶   →形の良いものは種結晶として使えます。残りは溶かして母液を作るときに使いましょう。

 飽和水溶液(前の残り)をスチロールコップに半分ぐらい取ります。これに、下に溜まった結晶と新しい結晶を合わせて小さじに一杯(5g程度)の結晶を加えます。別な容器(小さな鍋など)にお湯を半分ぐらい入れ、先ほどのスチロールコップを入れて良くかき混ぜながら結晶を溶かします。これで母液が完成です。
 種結晶は、前回作った結晶(糸に付いたもの)を使うか、下に溜まった形の良いものを使うと良いでしょう。
 結晶を入れるタイミングは、35℃ぐらいを目安にしましょう。体温より少し低めです。母液を作ってから30分ぐらい冷やせば良いでしょう。
 種結晶を入れたら、手を触れずに静に1〜2日間置いておきましょう。釣り用のクーラーがあれば、その中に入れておくと透明な結晶ができやすいです。

蒸発法でさらに大きく

 前回に作った結晶を簡単に大きくするには、まったく違った方法もあります。水をゆっくりと蒸発する方法です。時間(日数)はかかりますが透明な結晶ができます。

 前回の装置は、紙でふたをした状態です。このふたの部分を細く棒のようにして水が蒸発しやすいようにして風通しの良いところに置いておくだけです。数週間ぐらいかけて少しずつ大きくなります。
 早く蒸発させようと思って日なたに置くと大変なことになります。温度が上がり過ぎて結晶が溶け出すからです。日中に締め切った部屋も注意が必要です。北側の風通しの良いところに置いておきましょう。夏や梅雨の頃はきついと思います。
 液が少なくなったら飽和水溶液を追加します。結晶より1cm以上は液があるようにしましょう。もし、コブが付いたら小さい内に手で取って置きましょう。長い間使って飽和水溶液が汚れてきたらコーヒー用のフィルターでろ過すると良いでしょう。

◆ 発泡スチロールで作ったモデル ◆



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