シャボン玉の干渉膜の厚さと色
神奈川県 大磯町  2001.8.6

 きれいなシャボン玉の色は、光の干渉によってできたものです。反射光の干渉による色と膜の厚さの関係を計算したところ、実際の観察結果と色の配列が一致しましたので紹介します。
 
フィルムケースにできたシャボン玉膜
シャボン玉の膜を明るい方に向け、しばらく立てておくと横縞状に色が付いてきます。膜は、上の方が薄くて下が厚くなっています。

3色のセロハンで観察
白い紙に3色のセロハンを貼って同様の実験をするとそれぞれの光を強め合って明るく見えるところと、弱め合って黒くなっているところがあります。この3色の光が合わさってシャボン玉の色を付けているのです。
光は、波の性質を持っています。光が、シャボン玉の薄い膜に当たると表面で反射する光と膜の反対側で反射する光があります。このとき、光の波の山と山が合わされば光は強って明るくなり、山と谷なら弱め合って暗くなります。

 詳しい説明はTAKAさんの「色いろいろ」をご覧下さい。きっと参考になると思います。

 光の波長(λ)と薄膜の厚さ(d)は、次の関係式で表されます。(詳しくは高校で勉強します)
 2nd=(2m+1)λ/2・・・・    (m=0,1,2,・・・)・・・ 光が強め合って明るくなる
 2nd=(2m)λ/2・・・・・      (m=0,1,2,・・・)・・・ 光が弱め合って暗くなる

 赤い光の波長は、620nm(ナノメートル=10億分の1m)、緑は530nm、青は485nmであることが分かっています。 nの屈折率は、液体の種類によって違いますが仮に水の1.33(グリセリンは1.47)として膜の厚さd(nm)を計算しました。
<膜の厚さ(nm)>
m
1 273 182 299 199 350 233
2 456 365 498 398 583 466
3 638 547 697 598 816 699
4 820 729 897 797 1049 932
5 1003 912 1096 996 1282 1165

 上の表から、青は膜の厚さが182nm、間隔で明るくななっていることがわかります。(緑は199nm、赤は233nm)

 光の色は、赤・緑・青の強さによって決まる。そこで、それぞれの厚さの時、この3つの光の強さを計算して混ぜ合わせることによって膜の厚さとそのときの色の関係を下の表に表すことにしました。

注意:
・膜の厚さは、膜の中を光が進んだ距離の半分である。光が斜めに進んだときは、下の表より膜の厚さが薄いと考えられます。
・シャボン液は水にいろいろなものを溶かしてあるので、実際の屈折率はもう少し大きい。仮にグリセリン100%だとするとこの下の表の9割ぐらいぐらいの厚さと考えられます。 
シャボン玉の膜の厚さと反射光による光の干渉の色
シャボン膜の厚さ(nm) 赤い光 緑の光 青い光 シャボン膜の色 ピーク(nm) 備考
0
10 黒い膜1
20
30
40
50
60
70
80
90 B0=91 0次
100 G0=100 白い膜
110 R0=117
120
130
140
150
160
170
180
190
200 黒い膜2
210
220
230
240
250
260
270 B1=273 1次
280
290 G1=299
300
310
320
330
340
350 R1=350
360
370
380
390
400
410
420
430
440
450 B2=456 2次
460
470
480
490 G2=498
500
510
520
530
540
550
560
570
580 R2=583
590
600
610
620
630 B3=683 3次
640
650
660
670
680
690
700 G3=697
710
720
730
740
750
760
770
780
790
800
810 R3=816
820 B4=820 4次
830
840
850
860
870
880
890 G4=897
900
910
920
930
940
950
960
970
980
990
1000 B5=1003 5次
1010
1020
1030
1040 R4=1049
1050
1060
1070
1080
1090 G5=1096
1100

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