おいしいカルメ焼きの作り方
大磯の自宅にて 1998.8.13


これが完成品!おいしいよ!

中までふっくら

1 準備


重曹(炭酸水素ナトリウム)・砂糖・卵白を練る

3つを混ぜてソフトクリームぐらいの固さに

お玉と温度計(200℃)付き割り箸
お玉はみそ汁用でもできます。

ザラメ(上白糖でも可)
ふつうの砂糖でもできます
2 作り方

ザラメに水を加えて熱する
ザラメをコップに3分の1ぐらいとり、水を加えて熱する。 水が少ないと途中でザラザラになって失敗する。
ザラメ50gに水を30gぐらいの割合です。

よくかき混ぜて125℃で下ろす
110℃を越すと、急に温度が上がるので、火から遠ざけてゆっくり 加熱する。125℃になったら火から下ろして濡れぶきんの上に置く。

割り箸に重曹を付けて
割り箸の先に、前もって練っておいた重曹を付ける。

20から30秒冷やしてから素早くかき混ぜる
割り箸で、素早く数十回かき混ぜる。全体が白くなり、硬くなりはじめたら 割り箸を出し、かき混ぜるのをやめる。

しばらくするとふくらみます
ふくらんだら、もう一度火にかけ、まわりを溶かして逆さにすると外れます。 お玉に付いた砂糖は、お湯で落としましょう。鍋にお湯を沸かしておくと片づけが楽です。

120〜130℃がベストです
火から下ろすタイミングが重要です。火から下ろす温度が低いと固まらない し、高過ぎても色が変わって固まりにくくなります。
3 温度と砂糖の状態
温度 お玉の中の様子 紙にとったときの様子
 90℃ 全部溶けて沸騰した状態 水みたいにさらさらしている
100℃ 全体が煮えて、泡がたくさん出る 少し尾を引くけど、固まらない
110℃ 粘りけが出てきて液の色が変化して見える。急に温度が上がるので、 火から遠ざけてゆっくり加熱する。 冷えると柔らかいアメのように固まる
120℃ 粘りけが強くなり、泡がいっぱい出る 糸のように尾を引いて、すぐに固まる
130℃ 粘りけが強くなり、泡がいっぱい出る 糸のように尾を引いて、すぐに固まる
140℃ 少しサラサラして、茶色になる 糸のように尾を引かなくなって、少しサラサラする

参考文献:たのしくわかる化学実験辞典 左巻建男 編著

重ソウ(炭酸水素ナトリウム)の熱分解

2NaHCO  →   NaCO  +  H  +  CO
(炭酸水素ナトリウム)  (炭酸ナトリウム)  (水蒸気)  (二酸化炭素)  

分解で出てくる二酸化炭素が、全体を膨らめます。


授業で思う存分カルメ焼きを楽しもう!
2001.5.13 追加

 定番のカルメ焼きをやりました。今回は授業参観もあったので、1時間の中で思う存分、大量生産できるようにザラメも事前にシロップ状に溶かしたものを使用しました。道具は中村理科のカルメ焼きセットを利用し、割り箸の間に200℃の温度計を挟んだ攪拌棒を用意しました。
 
●全体で用意したもの
 家庭用のコンロ(2つ火が付けられるもの)
 大鍋2個・・お湯を大量に沸かしておく、砂糖が付いた道具を洗うために使う
        まず1つ目の鍋で砂糖を溶かし、2個目の鍋できれいに濯ぐことができる
 やかん・・・ザラメ1kgに水を600ml入れてあらかじめ加熱し溶かしておく
        1個で50g、1クラスで2kg(50×40個)ぐらいのザラメが必要
 わら半紙・・バーナーの保護とお皿代わり。また、おみやげに持って帰るときの包み紙
 (セロテープ)
 
●各班で用意したもの
 新聞紙・・実験用の机の上全体を覆っておく
 ガスバーナー・・わら半紙の中央に小さな穴を開けたもの上からかぶせて使用する
           (これなら絶対に汚れない)
 三脚
 カルメ焼きの専用鍋・・9班に対して15個ぐらい用意しました。使い終わったら教卓の鍋に持っ
               ていき、新しい道具と交換する
 温度計付き攪拌棒・・・これも多めに用意
 (攪拌用の棒・・・・重そうを付けてからかき混ぜるもの。温度計付きの攪拌棒でも可。)
 塗れ雑巾
 重そう・・・ 炭酸水素ナトリウム+砂糖+卵白でソフトクリームぐらいの堅さに練ったもの
 砂糖水・・ スチロールコップに印を付けて配布
 
●全体の流れ
 まずは、前の班で実演をしながら説明。わら半紙に小さな穴を開け、バーナーに刺し、火を調整してから三脚を置く。そこへ砂糖水を入れて加熱。温度が110℃を越えたら鍋を少し持ち上げ慎重に加熱。125℃で火から下ろして濡れ雑巾の上に置く。そこへ練った重そうを入れて素早く数十回かき混ぜる。固まり始めたら棒を抜くとふっくらと盛り上がってきて完成。再び鍋の底を加熱して中身を取り出す。
 使用した鍋・攪拌棒は教卓の鍋に持っていき、新しい鍋・温度計と交換し、次のカルメ焼きを作る。
 
 おかわり自由と言うことでやらせたら、1時間で、各班で3から4回(個?)ぐらいできていました。食べきらないで、紙に包んで持って帰る生徒も多かったです。
 
●反省と改良点
 あらかじめシロップを用意したことで、砂糖を配布するときの手間が省け、水が少なすぎて砂糖がボソボソになって失敗をすることが無くなった。(その分、準備の時間が必要)
 
 わら半紙の中心に穴を開けてバーナーに刺すのは、大正解。これをしておかないと、バーナーが砂糖で固まって使用不可能になる。以前にはアルミ箔などを使ったこともあるが、今回の方が手軽。
 
 練った重そうを配布するのに50mlのビーカーを使用した。熱した温度計付きの攪拌棒でそのまま重そうを入れたが、別な棒(専用の太い棒もある)を使用した方が、アメが混入しなくて良いと思う。専用の棒を使うとかき混ぜるのも楽である。
 
 全体としては、加熱しすぎて焦がしたりする生徒は居ませんでした。固まり初めてもかき混ぜ続けて全体がボソボソになってしまったり、取り出すときに崩れたりするぐらいで、食べられないような大きな失敗は少なかったです。
 
 火傷が2名ありました。一人は、誤って鍋の金属の部分を触ってしまったもの。もう一つは、鍋を雑巾の上に置いた時に飴状になった砂糖をこぼし、これに手を触れたものです。幸いたいしたことはありませんでしたが、火傷の注意も必要ですよね。以前に、熱いまま食べて口を火傷した生徒も居ました。


100円ショップで道具探し
 100円ショップ(ダイソー)にある道具を3種類使って、カルメ焼きに挑戦してみました。

●お玉(ステンレス製で深くて大きめ)
 ふくらむまではバッチリ。でも、そのままの形で取り出すのが難しい。でも、量を少な目にすれば、充分に使用できる。 最近はアルミのタイプは見ませんね。

 ○ 取っ手がしっかりしていて丈夫。底が深いのでこぼれにくい。
 × 不安定で手を離すと倒れる。取り出しにくい。

●親子丼用の鍋(直径12.5cmのアルミ製)
 安定性があって扱いやすいが、底が平らで取り出すのが難しい。やっぱり底は丸い方が良い。きれいに作りたい人には、あまりお勧めできない。 形はともかく、作るだけなら充分に使える。

 ○ 安定性があってコンロの上に置きやすい。
 × 底が平らで形を崩さずに取り出すのは難しい。

●中華鍋(直径20cmの鉄製で片手用の取っ手があるタイプ)
 コンロの上でも安定性があって使いやすい。取っ手の部分が熱くなりやすい。多少乱暴にかき混ぜても砂糖水がこぼれないので家庭で使うには便利かも? 完成したカルメ焼きの形を崩さずに取り出すのは、簡単にできる。

 ○ コンロの上でもこぼさずに使える。 形を崩さずに取り出しやすい。
 × 取っ手が熱くなりやすい。 

■結論

 やっぱり、理科室でやるなら専用の銅製のものが一番使いやすかったですが、他の容器でも充分に作ることができます。 生徒に勧めるなら、やっぱりお玉が一番お手軽かな?

 底は丸い方が扱いやすいです。材質はステンレス製でも大丈夫でした。

専用のカルメ焼きの鍋は中村理科で手に入れることができます。
 中村理化工業カルメ焼きセット

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